「恵命我神散(けいめいがしんさん)」という漢方薬がある。
一般的には胃腸薬として売られている。世界遺産にもなっている鹿児島・屋久島で採れるガジュツという薬草を原材料にして製造されており、長嶋茂雄やみのもんたなど著名な人々も愛飲している知る人ぞ知る生薬である。
僕は、5、6年前に「二日酔いにてきめんに効く漢方薬だから」と言ってもらって飲んだことがあったが、昨年、「これは胃腸薬として飲まれているが、血液をきれいにする優れた効果があり、医者に見放された癌患者が飲んで治ったという方がたくさんいらっしゃる」という話を知人から聞いて興味を持った。
それに僕自身、その日のうちに恵命我神散の効果を体感させられることになった。その日僕は3日ほど連続でどうしても飲まなくてはいけない仕事のつきあいを続けていたためかなり体調が悪く、知人には申し訳なかったのだがウーロン茶を飲みながら話を聞いていた。
そんな中、知人は「海外に行って食事が合わずに何も食べられなくなった人が、ポケットに入れておくだけで食欲が回復する」という話を紹介した。半信半疑だったが少しでも体調が良くなってくれればと思いワイシャツの胸ポケットに分封を入れておくと、なんと10分ほどが経つと徐々に気分が晴れて体調がかなり回復してきたのだ。さほど明確に分かるわけではないが、これはすっごく良い”気”を持った生薬だと確信した。
それから半月後に、知人にセッティングしてもらい、恵命我神散の創業者の時代から使えているという上田長士(たけし)先生にお会いして、お話をうかがう機会があった。
80歳を超えられているとは思えない若々しい肌つや、張りがあり芯の通った語り口に引き込まれてしまい、約5時間ほどいろいろな興味深い話をしていただけた。今では忘れ去られてしまった日本の先人であるおじいちゃん、おばあちゃんの教えにもつながる内容で、人によっては参考になるのではないかと思い、話の内容をまとめてみた。
上田先生のお話されたことの概要は以下の通りである。
医者は病人に出す薬を自分では飲まない 薬は危険です。健康な人にとっても危ないものを病人に飲ますとはいったいどういうことなのでしょうか。
主治医の多くは病人に出す薬を自分では決して飲みません。
頭を楽にするのが西洋の薬なのです。
誰もが授かっている「宇宙力」を発揮するには血液の浄化を
人には自らが授かった自分を治す力があります。
これは「宇宙力」というもので、私の小さいころ、近所の小児麻痺の子供が軽々と60キロの俵を担いでいるのを見ました。
恵命我神散にはこの宇宙力を目覚めさせる力があります。この力は血液の力です。そのためには血液をきれいにしないといけない。恵命我神散は血液をきれいにする効果があります。
「煎り玄米」は体の力を高める 「煎(い)り玄米」は体にいいです。少し疲れて寝込んでしまったお年寄りに食べさせるとすくっと起き上がって歩きまわるようになります。
10分程度強火で玄米を煎るだけです。お年寄りにはこれをおかゆにして食べさせてあげてください。
調味料で狂った味覚が過食を招く
食べ物は調味料でごまかすから味覚が狂うのです。本来は適量が自然にわかるものなのです。しかし、調味料で狂うから過食など必要以上のものを口にするようになるのです。
合掌して食事をする民族は非常に少ない 魚や肉は死物です。しかし、穀物は生きています。だから芽がでます。
魚も肉も穀物も「あなたの命をわたしの命にかえさせていただきます」と感謝する。これが「合掌」です。
日本人は小さいころから合掌して食事をする。でも、食べ物を食べる前に合掌する民族は非常に少ないのです。
血液が体をつくっている
いまの世の中の乱れは食の乱れからきています。1日何カロリーといったような考えはなんの役にも立ちません。
カルシウムが骨をつくっているのではありません。そんな食事をさせられている子供ほど骨がもろいものです。柱の周りにガムテープで木をくっつけているようなものです。
食べ物はすべて血液になるのです。いい血液が生産されたら骨も髪もよくなるのです。
素材を使って大工は家を建てる。指物大工は家具を作る。杉を渡してケヤキの家を作れといっても無理な相談です。根本を間違えないようにしないといけません。
動物や植物が手本を示してくれています。動物は食べる種類が非常に少ない。草食動物は草しか食べません。しかし、それでも草を活力として飛んで走って人間でも及ばない力を発揮します。
噛むとホルモンが出る。回数で種類が変わる 大本を「素材」といいます。人間は5000種類の酵素を授かっています。しかし、それを刺激するホルモンを出さないと酵素は動き出しません。
昔の人は「よく噛みなさい」と言っていましたよね。これは口を動かさないとホルモンが出ないからです。口を動かすとホルモンが出る。さらに回数によって出てくるホルモンの種類が変わるのです。素材はひとつでもよく噛むといろんな酵素が出てくるのです。
だから動物はよく口を動かしているわけです。動き出す酵素で体ができるのです。
食事をするときはひと口ごとに箸を置いて、最低30回は噛みなさい。
よくおしゃべりする人は精力がありません。おしゃべりで日中に使い果たしてしまうからです。体はそういう仕組みになっています。
完治した腎不全の女性の「陰徳」 恵命我神散は体に害のあるものを外に出そうとする力があります。
いまの人は皆、薬になるのが薬だと思っています。恵命我神散もしばらく水を少しで飲み込み、飲み込みしているといろんなホルモンが出てきます。溶鉱炉と一緒です。そんな力を目覚めさせて治しなさいという役割を担うのもの、万人が授かっている生命活動を生かし、活性化するのが恵命我神散なのです。
恵命我神散の効果は血液を通じて発揮されます。腎不全で透析を受けている女性が横浜にいました。長年病気のため大変に頑固な性格になっていました。私は難しいことを作っておいて、その難しい病気を宝物のように思っているのではありませんか、とその人に言いました。20年間で家2棟分ぐらいのお金を病気につぎ込んだそうです。私と喧嘩ごしになりながら彼女は普通半月で1箱のところを半日で2箱飲むような勢いで恵命我神散を飲み始めました。
半月ほどすると私のもとに電話がかかってきて「えらい目にあった」と文句を言ってくる。
私は「それが病気の正体だよ」と答えました。病気の元を外に出すのが恵命我神散だからです。「他になにか言うことはありますか」と尋ねると「食べ物がおいしくなった」と言うのです。その後彼女の症状は消えていきました。それから彼は恵命我神散のファンになり、「世界で一番良い薬を持ってきてあげるから」と言って昼夜無く困っている人のために恵命我神散を持って駆け回るようなことをされていました。亡くなる5年ぐらい前、衣笠病院で検査したら腎臓はまったく問題ないという診断を受けたそうです。ただ、透析などの治療で肝臓にキズができており、これが元で亡くなってしまいました。
彼女には娘さんがいました。生みっぱなしでまったく面倒を見てもらえないで育った娘さんでしたが、恵命我神散に出会ってから亡くなるまでの間、人のために尽くした姿を見ていたので、死ぬ前に看病している際「母がかわいくてしょうがいない」と私におっしゃっていました。晩年を人のために尽くした母の「陰徳」が娘さんに通じたのでしょう。