2008年1月14日月曜日

スマナサーラ長老の「怒らないこと」




 アルボムッレ・スマナサーラさんは、日本にもたびたび訪れ講演会活動やNHKなどにも出演されたりしているのでご存知の方もいらっしゃると思うが、お釈迦様の根本の教えを実践し人々に説き続けているスリランカ仏教界の長老である。

 スマナサーラさんには数々の著書があるが、その中で僕が好きなのがこの「怒らないこと」である。
 都内の書店で見かけ、そのタイトルにスルスルと引き寄せられるように手に取った。
 というのも、それより半年ほど前にお釈迦様に関わるある話を聞いていたからだ。
 その話は、
 「人生において、やってはいけないことを唯一あげるとすればそれは何ですか」と訊ねられたお釈迦様はこう答える。
 「怒らないことである」と。

 著書「怒らないこと」では、「怒り」は、お釈迦様の言葉を忠実に伝える古代インド語であるパーリ語で

 dosa(ドーサ)と言われ、
 「穢(けが)れる」
 「濁る」
 という意味であると紹介している。

 また、お釈迦様の
 「蛇の毒が(身体のすみずみまでに)ひろがるのを薬で制するように、怒りが起こったのを制する修行者(比丘)は、この世とか(あ)の世ともを捨て去る」
 という言葉をあげて、「怒りが人にとってひどい猛毒」であることをさまざまな場面で教えていて、
 スマナサーラさんは、心臓、肺、腎臓など内臓が一番先に怒りの影響を受け、怒りに身を任せる人は他人よりも老けやすく、自分自身が知らないうちに病気になっていくとはっきりと述べている。

 その他にも、このブログでも何度もご紹介している「ありがとう」の言葉とも「怒る」は深く関わっている。
 日頃から「ありがとう」「感謝します」と幸せ言葉をずっと口にしてきているのに、何かの拍子に、怒りの感情にかまけて不平不満や悪口や愚痴を口にしてしまうと、それまで積み上げてきた「ありがとう」「感謝します」の幸福の積み木がガラガラと音を立てて崩れ去ってしまうのだそうだ。
 でも、神様はやさしいから、ちゃんと解決策も用意していてくれていて「今の言葉は間違えました」「今の言葉、キャンセルします」とすぐに間違いであったことを口にすればパスされるらしい。
 きっと、不幸な言葉を口にしたということに“気づく”ということが大切なんだと思う。


 「怒らないこと」をパラパラとめくって再度読んでいた日曜の夕方、「ちびまる子ちゃん」を放映していて、なにげなく観ていたら、終わり間際に「『笑う門には福来たる』という言葉があるが、これは福が来きたから笑うということではない。笑うところに福がくるということである」というナレーションが流れ、まる子の落とした切手シートが風に運ばれて、いつも笑顔を絶やさない同級生の山田に拾われるというシーンが流れていた。

 昔の人は摂理というものをよくわかっていたんだな~と感心しつつ、
 「怒る」より、やっぱり「ニコニコ」なのだ、とひとり妙に納得してしまった。

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