2008年2月10日日曜日

嫌な「気」で気分や具合が悪い時は清めの「粗塩」


 僕は、日頃持ち歩いているカバンの中に「粗(あら)塩」を携帯している。
 「ゆで卵が三度のメシより好きで、いつでもどこでも食べたいもんだから」・・・、なんて冗談はさておき、

 「清め」に使うためである。

 「清め」というと、年初に足を運んだ仕事先の新年パーティ会場で、久しぶりに会った知人から
 「実は昨年末に自宅が火事になって全焼しちゃってね、今、家を建て替えてるところなんだ」と突然うち明けられてびっくりした。
 原因を訊ねると、暖かいフトンに寝ようと思い乾燥機のタイマーをセットして仕事に出かけたら乾燥機が発火して、帰宅してみたら家が焼けて無くなってしまっていたという。
 息子夫婦と孫も一緒に暮らしているはずだからかなり大変だったに違いないはずなのに、その時も楽天家で明るい性格そのままに
 「70(歳)前にほんと参っちゃうよな」と笑いながら話してくれたおかげで、僕も気持ちがいくらか楽になった。
 そんな雰囲気だったので、僕も励ますつもりで
「昔から商売人は、店を出すなら火事の跡地を探せ、火事になった場所が空いていたら少々のムリをしてでも手に入れろと言われていたらしいですよ。
 なぜかというと、火事になった場所は清められて土地の運気が大きく上昇するらしいんです。だからこれから家運がグッと盛りますよ、必ず」と伝えると、
 「そうか、そうか」とその知人は笑顔を浮かべて何度もうなずいていた。

 「清める方法」には、さまざまある。
 その中でももっとも「清め」の力が強いのは「火」であるといわれる。
 その次が「水」、
 そして「塩」となる。
 幾度か清めや供養など神事に関わらせてもらったことがあるが、
 「ろうそく」「酒」「塩」(これに米)は不可欠である。
 また、般若心経を写経したのちの処置も、「焼き」「水に流し」「土に埋める」という3つの方法をその目的に応じて採る。

 「清めたい」からといって、毎回、焼くわけにも、水をかけまくるわけにもいかないので、その点でも塩が一番手軽にできる「清め」の方法だ。
 今からもう7、8年前になるが、僕は心身のバランスを崩し、人込みやラッシュ時の電車の中にいると、突然、鼓動が早くなったり、呼吸が苦しくなったり、脂汗が出てきたりするような症状に悩まされたことがあった。
 いろんな方々のおかげで今ではすっかり健康だが、調子を崩した当初は早く治そうと気持を焦らせたものだった。
 「仕事のことや母親が重い病になったことなどさまざまなことが複雑にからみあって僕の中で『ごった煮』のよう状態になり、ジワジワと時間をかけてバランスを崩してしまったのだ。だから治すためには、からんだ糸をひとつひとつほどいていくような丹念な作業の積み重ねをからまった時以上の時間をかけて根気よくやっていく必要がある」ということは、その時の僕にはわからなかった。
 そんな余裕などなく、先が見えないことが重くつらく、空回りしながら焦るだけだった。

 そんな時期ではあったが、その間にいくつも不思議な体験をした。
 そのうちのひとつの体験から僕は「粗塩」を携帯するようになったのだ。
 ある日、電車の中でその不快な症状が始まり脂汗が流れ我慢できなくなったので電車を降りた。しばらくすると息が深くできるようになり徐々に気分も改善してきた。その頃は、そんなことがいつものことになっていた。
 でも、その日は普段と違い、「あれっ」と気がつくことがあった。
 それから数日が過ぎ、再び電車で具合が悪くなったので、僕は電車を降りてホームに残らずに小走りに駆けて隣の車両に乗りかえた。すると身体の中に広がっていた何とも言えない不快がすーっと薄れていったのだ。
 そうしたことを何回か確認したうえで、僕は「やっぱりそうか」と思った。
 同じように混んでいても車両を替えると嫌な気分はずいぶん楽になった。自分の心身のバランスが崩れているのは確かだけど、どこでも同じように具合が悪くなるというわけではなく、「外部の環境にも何らかの原因がある」ということに気がついたのだ。

 そうやって違う角度からあたりに気を配ってみると、電車の中に限らず、オフィスやレストラン、飲み屋など場所によって良い気のところとそうでないところがあり、人の出入りでも良かったところが悪くなることもあるということがわかってきた。
 僕の経験上では「地下にある店」は気が重いというか淀んでいるようなところが結構多く、バランスを崩している当時は、しばらくそこにいるとかなりの確率で気持が悪くなった。
 といっても、仕事柄、夕方以降のつきあいも多くいろんな場所に足を向ける。バランスを崩した時は半年ほど禁酒をしたが、酒なしでも顔を出さなくてはならないケースもあった。
 そんな事情だったので、建物や乗物で嫌な気を感じて具合が悪くなった時に軽減させるための何らかの方法はないかな~と探している時に出会ったのが、「粗塩」だったのだ。
 試しに頭や身体、足下に軽く3回ほどパッパッと粗塩をかけると、しばらくすると気分がスッと軽く楽になることがわかった。
 それから僕はカバンの中に携帯「粗塩」をしのばせておくようになった。

 心身のバランスが戻ってからは、頻繁(ひんぱん)には使わなくなったが、すっごく悪い気の場所に足を運んだ時、病院にお見舞いに行った時、他人の愚痴、悪口を多く聞かされた時など、ネガティブなエネルギーによって気分が悪くなったり、首や肩など身体がずしりと重くなるので、その時は粗塩のお世話になる。 寝不足や風邪、便秘など体調があまりよくない時は悪い気に過敏に反応するので今でも粗塩は手放せない。
 塩は食卓塩などの塩化ナトリウムの化学調味料以外の「天然塩」ならなんでもいいと思う。

 また、粗塩以外にも、空気を入れ換えて換気したり、腹式呼吸しながら強く長く息を吐いたり、パン、パンと柏手を打つ「音霊(おとだま)」などの方法でも、重く淀んだ気を祓(はら)うことはできる。

 こんな世の中だからストレスなどで心身が疲れている時が特に要注意である。
 くたびれ果てて、「殻を脱いだ卵」のような状態になってしまうと、どんなとささいなことでもずっしりと堪(こた)えてくる。
 心身の清めのために、そして少しでも元気になってもらうために、思い出した時でかまわないので、「粗塩」での清めを上手に使ってもらいたいと思う。
 ※写真は2月3日の節分の日に入れ替えた各部屋に置いている「清めの塩」です。

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