2009年8月14日金曜日

滅多に生まれられない

お盆ですね。
大切な、愛おしい、切ない、「送りし人」をお迎えして、偲び、懐かしみ、感謝していると、この世とあの世との距離がぐんと近くなったような気がしてきます。

慌ただしい日常からつかの間離れて、心落ち着けて自分と向き合えるという意味では、やはりこの世にいる者にとっても大切な数日であります。

そんなお盆のひとときを心穏やかに過ごしながら、
お釈迦様と弟子のアーナンダが交わしたお話を思い出しましたので、ひとつご紹介いたします。


お釈迦様はある時、アーナンダと共に道を歩いていました。
立ち止まってしゃがみこんだお釈迦様は、地面の土をつまんで爪の上にのせ、アーナンダに振り向いて、こう言いました。

「アーナンダよ、この爪の上にのっている土と、地面にある土は、どちらが多いと思いますか」

アーナンダは、お釈迦様の爪の先についた土と足元の地面の土をじっと見比べて、さも当たり前という表情でこう答えました。

「お釈迦様、それは地面の土の方が間違いなく多うございます。爪の上の土はほんのちょっぴりです」

すると、お釈迦様は、アーナンダに、やさしい笑顔を向けて、

「アーナンダ、その通りですね。この世に命をいただいて、生まれてくるものは、この地面の土ほどたくさんあります。
しかし、人間として生まれてこられるものは、この爪の上の土ほどしかないんです。
人間には滅多に生まれられないんです。
ですから、命というものは本当に大切にしていかなければならないんですよ」
とおっしゃいました。


生きていると、つらく、悲しく、苦しいことがたくさんあると思いますが、この世に人として生まれてくるのは大変に難しいようです。

自ら願い、祈って、永年待ち続けて、ようやくこの世にやってこれるそうです。

ですから、この世に来ている人は、全員が、「自ら願い求めてやってきた人」ばかりなのですね。

修行のため、魂の成長のために、その理由の記憶を今は損なっていますが、
「自分がなぜあんなにも激しく、切なくこの世にやってきたかったのはなぜなのか」

「自分がこの世にやってきてやろうとしていたことは何なのか」

そうしたことを考えてみる機会としてこのお盆という季節を過ごしてみるのも時にはいいかもしれませんね。


ここで、ご縁をいただいた皆さんのあふれるほどの幸せと、天命を見つけ、全うされることをいつも祈っています。