2007年12月1日土曜日

”ダニエルさんちの彼女”、ありがとう。

 昨夜は仕事のつきあいが長引き、結局終電に間に合わず、深夜の事務所に戻りパソコンを開く。

 闇に浮かぶパソコンの光を眺めながら、さすがにブログを書く力は残っていなくて、先日、リンク登録したばかりの「ダニエルさんちのフランス便り」をクリックする。



 そこには「ツキを呼ぶことのは」のタイトルで、僕のブログのこと、そして僕に向けられたメッセージが記されていた。

 ”ダニエルさんちの彼女”と僕は海が近く、緑に囲まれた田舎町の学校で3年間を共に過ごした。それから数年ののち、彼女がフランスで過ごしていることを人づてに聞いた。

 それからおよそ20年の歳月が過ぎた今年の9月、通訳の仕事や翻訳した絵本の出版準備などで帰国した彼女を同級生たちと東京で出迎え、再会することができた。
 懐かしい顔ぶれに話が尽きず、やはり今夜のように終電に間に合わず、最後まで残った6、7人で朝まで飲んでそれぞれ始発電車で家路に向かう中、彼女はフランスへと発っていった。



 僕は、その日からの彼女のブログに目を通すようになり、彼女が書くあたたかな視線による軽快なタッチで登場人物の描写が生き生きとした文章がいっぺんに好きになり、更新されるのを毎日のように楽しみにするようになった。


 最近、特に印象深かく、心に残っているのが「ふぅ~」というタイトルの文章だ。
 海の向こうの異国の地にしっかりと根を下ろして生活している彼女の文章は、久しぶりに再会した本人と同様、しなやかな強さとバイタリティーにあふれ、どこかにかわいらしさのあるところが魅力なのだが、「ふぅ~」は異国が抱える現実世界の持つ空気の重みのようなものが小柄な彼女を覆いつぶそうとするかのような重々しさにあふれ、そこで暮らしていくことの厳しい一面があるということを知らされた。

 僕はこの文章を読み終えて、彼女の近くに住んでいて、今すぐふらりと訪ねていって「友達、何人か誘って気分転換に飲みにでもいこうよ」って声かけてあげられたらどんなにいいだろうと思った。

 現在、2冊目の翻訳本に向けて準備が忙しいにもかかわらず、僕が進めているNPO法人のことまで気遣ってくれている内容の文章を読み返しながら、こんなに熱いエールをもらったのはいつ以来のことだろうと思った。そう考えていたら闇に浮かぶディスプレーの光が次第ににじんでぼやけて見えた。

 

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