トイレの話についてはこれまで何度か述べてきた。
トイレを掃除すると臨時収入が入るという小林正観さんのお話の効果はかなり信憑性が高いようで、僕もトイレの神様である「うすさま明王様」に「おんくろだのう うんじゃくそわか」と真言を3回唱えながら、毎朝、お水を供えている。
そんなおかげで、トイレに関する話に興味を持つようになり、先日もおもしろい話を聞いた。
昔から妊婦がトイレをきれいにするとかわいい赤ちゃんが生まれるという伝承がある。安産にもなるという言い伝えもある。
風水でもそうだが、家相のうえでもトイレを鬼門(丑寅の方向「北東」)に置くことはいけないとされている。鬼門は悪鬼が襲ってくるとされる方角で、そんな危険なところにトイレを置くなんてとんでもないという考えがあったのだろう。このことからもトイレは昔から「特別な場所」だったという証がみえてくる。
長野の一部地域では大晦日から正月にかけてトイレをきれいに掃除してトイレの前に家族で座ってご飯を供え、「お世話になりました」と感謝の言葉を述べる「トイレの年取り」の儀式が今も行われているそうだ。トイレの年取りが終わってから家族の年取りを行うということからもトイレの重要性がわかる。
それ以外にも各地に正月にご飯やうどんを供えたり、お盆に柿の葉に赤飯をのせて供えたり、灯明を灯すなどトイレを特別に祀る行事が今でも行われているそうだ。
そんな中でも、僕が特に興味を持ったのが、
「年老いた者は特にトイレをきれいにしなくてはいけない」という言い伝えである。
年老いてトイレをきれいにしておくと、病気になった時に下の世話をかけなくてすむからなのだそうだ。
この話を教えてくれた姑さんは90歳を超えて亡くなったが本当に下の世話をかけることなく静かにおだやかな最期を迎え、その話をしてくれたおばあさんも90歳近い高齢で亡くなったが、家族に聞くとやはり下の世話をかけることなくおだやかに旅立たれたとのことだったそうだ。
昔からトイレは「あの世とこの世の出入り口」だという考え方が伝承として根強くあることがわかり、僕の中ではますますトイレの存在感がズシリと増した。
トイレ掃除はなるべきひと目につかないようにやるということも大切らしいからおもしろい。ちょっとした徳を積む修行なのかもしれないな、これは。
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