NHK大河ドラマ「篤姫」ブームで故郷の鹿児島・指宿(いぶすき)が活気づいているらしい。
指宿といえば、昔は新婚旅行のメッカだったが近年ではブライダル業界からは「そんな町が日本にあるのか」と言われるぐらいすっかり忘れさられ、地元ではよそからやってきた新婚さんなど、とんと見かけないらしい。
一時は池田湖の“イッシー・ブーム”があったが、これも今は昔。
そうはいえど、日本で一番早く新春に開催される「菜の花マラソン」が指宿にはある。アスリートから“めでたい”大会として喜ばれ、毎回1万5000人以上の人が訪れる。
今回の篤姫ブームは全国区のNHKドラマによる配信だし、以前の「翔ぶがごとく」と比べても”舞台まで指宿”とくるのだから重みが違う。大いに盛り上がってもらい、ひとりでも多くの人々に指宿の魅力を知ってもらいたい。
そして、そんな篤姫もいいのだが、指宿の一番のウリはなんといっても、「この地で暮らす人々の温かな人情」である。
東国原知事がガンバッて宮崎までは観光客を引き寄せてくれているのだから、もう少し足を伸ばしてもらいさえすれば、そこはもう指宿である。
指宿の市長さんが具体的な企画を手みやげに東国原さんのところにおもむいて、手を組んでもいいぐらいである。
東国原・宮崎+篤姫で観光客を誘い込み、それだけでは一回切りで終わってこれまでと変わらず芸がないので、「地元の人々の温かな対応でリピータ観光客をつくっていく」くらいの意気込みをみせてほしい。
本題の前に、前置きが長くなったが、篤姫のあとに続く指宿観光振興の目玉を昨日みつけた。
絲山秋子さんの小説「逃亡くそたわけ」を文化庁が英仏独露4カ国語で翻訳するそうだ。
この小説はこのブログでも何度か書いたが、福岡の病院を脱走した若き男女2人が南へ南へ逃走して最後に指宿→長崎鼻にたどりつくという物語である。
潮が引き海に道が現れ2人が渡っていく先にある知林ヶ島、長崎鼻の海に浮かぶように柔らかな稜線を描きそびえる開聞岳を描写したシーンは美しく、読む者を魅了する。
知林ヶ島や、長崎鼻から開聞岳をジッと見つめている若者がいたら、かなりの確率で「絲山ファン」ではないかと僕は勝手に想像する。
4カ国での翻訳本発行までには「たぶん数年かかっちゃう」(絲山さんの弁)らしいが、「指宿の観光活性化計画」をひとり目論む僕は、昨夜のうちに文化庁に4カ国でどのような発行スケジュールになっているのかメールで質問状を送っておいた。回答が楽しみだ。
この作品は、映画化もされているそうなので、これまで4件ビデオショップをまわって探してみたが見つけられないでいる。DVD化されていないのだろうか。出来が良ければこれも4カ国語に吹き替えして指宿のPRに使えるのではないだろうかと考えたりする。
海外4カ国から若者を中心とした多くの人々がはるか海を越えて指宿を訪れる日はそう遠くはないのだ、と僕は思う。
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