2007年12月19日水曜日

しばらく待ってでもまもなく動き出す「200年住宅」がいい!

 前回このブログで現代の住宅ローンにつきまとう“危険さ”について<熱く>私見を述べた。
 すると早速、リンク・ブログの「ダニエルさんちのフランス便り」の友人から「私の家は築103年以上だよ~」というメールももらった。

 さまざまな分野で優れた技術を持ち、誇りとする“日出ずる国“も、こと一戸建て住宅に関してはフランスにはとお~く及ばないことを痛感し肩を落とす。

 そんなやりとりを聞かれてるはずもないのに、お手伝いしているNPO法人の理事長から「国土交通省で200年住宅構想について直接担当役人から話を聞けることになったから一緒に行く?」と声をかけられたので、ぜひぜひと一も二もなく連れてってもらうことにした。

 200年住宅は福田首相の肝いりで来年から本格的に動き出す住宅政策である。
 「今まで30年の寿命だったのにほんとに200年持つ住宅になるのかい!」と言われそうなネーミングだが、“200年”という期間はシンボルのようなもので「200年後には建てた人も住んでいる人も、またそれに関わったすべての人がこの世にいなくなるんだけど、それ以降も資産として残っていく住宅のための環境づくりをみんなでやっていきましょう」ということでつけられたらしい。
「なんだい、たまには国土交通省も洒落た発想をするじゃないか」と担当役人に話を聞きながら胸のうちで感心する。

 これまでの住宅とどのへんが違うのかというと、
 たとえば従来の住宅を建てるなら坪当たり50万円かかったが70万円にすると200年住宅が建てられることが認められると、アップする20万円のうちの半分の10万円を国が補助してくれるということになるらしい。
 そのほかにも税制面で登録免許税や不動産取得税、固定資産税を減額してもらえるのでこれもかなり大きな優遇になる。もちろん銀行も支援することになるので0.3%ぐらいの金利優遇は確実に見込める。

 ローン期間も従来は最長35年なのだが、これが50年まで延長されることになるようで、そうなると2代で支払っていくリレーローンや財産分与などの手法が適用されることになるだろう。

 そして、なにより欧米のように「住宅が資産になる」よう中古住宅市場の環境整備がこの200年住宅を皮切りに本格的に動き出すと思われるので、10年で資産価値がほぼゼロになる現在の状況が打開されることが期待できる。

 イタリアに長く住んでいた商社マンが以前、「イタリアではおじいさんが家を建て、おとうさんが内装を張り、その息子が家を飾ると家づくりのことを教わった」と言っていたのを覚えているが、日本の一般家庭にも将来、それと似たような住まいの格言が生まれるかもしれない。

 本格的に市場で動き出すのは早くても来年中盤以降になるのだろうが、これから住宅を建てるのなら、しばらく待ってでも200年住宅にすべきだ、と僕は思う。

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