2008年2月25日月曜日

「とやの健康ヴィレッジ」さんからのちょっといい話

 「・・・しました。感謝しま~す」の五日市剛さんの小冊子などを購入させてもらっている新潟新潟市で健康、環境関連の書籍、グッズなどを販売している「とやの健康ヴレッジ」さんから定期的に配信していただいているメールの中に、いい話を見つけたのでご紹介する。
 とやのさんでは、以前紹介した木内鶴彦さんの「太古の水」も扱っているほか、五日市さん、木内さんの講演情報も提供しているので、お時間がある時、ホームページ(http://toyano.jp/)もご覧になってみてください。
 
 
 ドイツの哲学者カントは、生まれながらひどい喘息持ちであった。
 17歳の時、町医者がやって来て、診てもらうことになった。
 「皆と同じ人間に生まれながら気の毒だな。しかし、よく考えてごらん。世の中には心で勝手に悩みを作って悩んでいる人が多いんだ。心に形というものがないのに勝手に作ってしまうんだ。“僕はもう駄目だ、苦しい、悲しい、死にそうだ”という。いいかい、悩んでいるのは誰だい?足が悩んだり、お尻が悲しいって言うかな。悩んでいるのは心だよ。その証拠に、寝ている時には、悩みも、貧乏も、なにもないじゃないか」
 “なるほど”とカントは心の中で思った。
 「しかしだ、心に形がないと言っても、昼間、起きている時は何かを考えているのが人間というものだ」
 「それもそうだ」とカントは身をのり出した。
 「いいかい、ここが大切だよ。どうせ考えるなら、別の考え方をした方が良い。苦しくたって悲しくたって、何事も神様が与えた試練だと思い、苦しみ悲しみを喜びと感謝にかえて、心を明るく朗らかにするのだ。そうすると自然に運が開ける。そのように宇宙はできているのだよ、君には難しいかもしれないが、それで自然治癒力が出るのだ」
 カントは医者の言葉をかみしめた。
 「この体は神様から借りたものだ。人間は夜になるとこの体を返すわけだ。すると神様は、夜のうちに修理をし掃除をして、朝また人間に貸してくれるわけだ。分かるかい」
 カントはうなずいた。
 「苦しい苦しいと思っても、もともと体の悪いのは治らないよ。せいぜい、お父さんお母さんの心を痛めるだけだ。正直言うと、君の命はこのままだと、あと二年しかもたない。せめて今まで育ててもらったお礼に、人のいる所では、嘘でもいいから笑ってみなさい。
 人は何かの使命をもって生まれてきたのだ。ひとつでもいいから、何かのお役に立つ人間になることだ。君がやることは、お父さんお母さんの前では苦しい、悲しいということを言わないことが親孝行だ。わかったかい。あと君に効く薬はない。お帰り」
 17歳のカントは、医者の言葉を何度もかみしめた。“そうだ、今まで自分で自分の心を痛めつけていた。こんな体になったのは親のせいだと、責めてばかりいて感謝したことは一度もなかった。これからは感謝と喜びだ”と心に誓った。
 こうして、カントは病気を克服し、哲学者として80歳の天寿を全うした。

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