2008年7月26日土曜日

夏祭り前夜




 夏祭りのシーズン到来。

 靖国神社の御霊祭りから日本の祭りが始まるという人もあり、そうであれば今年はその始まりに立ち会えたことになるのでうれしい。

 地元でも今日から2日間、夏祭りが始まる。
 この日は毎年、会場に敷物を広げ、酒や肴を持ち寄って、盆踊りを眺めながら、近所の友人、知人らと飲み語らうのが恒例行事となっている。数日前から夏祭りで会いましょうとの声を掛けられる機会が増えて、気分はますます盛り上がってくる。

 午後早い時間から太鼓を打つ音も鳴り響いてくることだろう。本格的な夏の到来を告げる音にも聞こえる。


 2週間ほど前から夏祭りの実行委員の人々が、櫓(やぐら)を組んだり、ちょうちんを下げたりし始めていた。本番3日ほど前には会場の準備もほぼ終了している。

 本番は大いに楽しみだが、個人的に毎年楽しみにしているのが、「祭り前夜」である。

 夏祭りの前の夜、ずらりと下げられたちょうちんすべてに灯がともり、深夜までともされ続けるからだ。

 僕はこの町に移ってきた初めての夏、仕事で遅くなり駅からの暗い夜道を歩いていた。
 帰宅途中にある夏祭り会場のグラウンドまで来た時、数多くのちょうちんの赤っぽい淡い光で煌々(こうこう)と照らされている非日常的な空間が目の前に現れ、僕は驚いてその場に一瞬、立ちつくした。

 誰一人いないグラウンドの隅のベンチに腰掛けて、しばらく何をすることなくその風景を眺めていた。自分だけの空間のような気がして、なんて贅沢なんだろうとその空間にしばし身を任せるままにしていた。

 前夜に深夜近くまでに全てのちょうちんを点灯させている本当の理由は知らないが、たぶん電球のコンディションを確認しているのではないかと思う。

 省エネが声高に言われるご時世になったから、来年もまたこの“前夜”が続けられるかどうかはわからない。今年は写真に納めさせてもらった。

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