2008年5月7日水曜日

弁天様を守る猫



 今年の関東地方のゴールデンウィークの天気はずっと「雨のち曇り」といった感じだった。
 人様はいろいろ言いたいことがあるみたいだけど、草花、若葉たちはとっても嬉しそうだった。
 暦のうえでは5日の「立夏」を過ぎて夏入り。
 最終日となる7日はまさに「洗濯3回以上約束します!」という公約が書かれた横断幕がクルクルと天 から降りてくるような初夏を思わせる元気一杯の日差しに満たされた良く晴れた一日だった。

 千葉の袖ヶ浦公園に行く。
 鮮やかな新緑に映えて、歩く人々の顔が嬉しげで、生き生きとしてみえる。

 公園内の池の横に「袖ヶ浦弁天」を見つける。
 遠目から見ても小さくかわいい祠(ほこら)で、鳥居をくぐってお詣りしようと近づくと賽銭箱の横になにかがある。
 近づくと生き物だった。
 猫が寝ているのだ。
 目の前まで行っても逃げようとも起きようともしない。
 暖かな日を浴びながら悠然と寝ている。
 賽銭を入れて、小さな鈴を静かに鳴らすとようやく薄目をあけてこちらを見た。
 そして、またすぐに目をつぶってしまう。
 お詣りをしている間も平然と寝ているその姿が愛らしくあまりにおかしいので、
 「お勤めご苦労様です」
 と声をかけると、再び薄目をあけて無言でちらりとこちらを見た。
 そして、またすぐにお日様が与えてくれたひだまりの小さな池の中での眠りに戻っていった。

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