写経の先生から、
「ガンの保険に入っている人はガンになりやすい」
という話を以前、聞いたことがあった。
その時はよく理解できなかったが、今はその言っている意味がわかるような気がする。
人の発する言葉、思いには物事を叶える、現実化させる強烈な力があると知ったからである。
普段、口にしていること、思っていることが、現実化に向けて「引き寄せ」を始めるのである。
現代はまさに「健康ブーム」で、健康食品、健康飲料、健康補助食品、健康器具など、さまざまな商品があり、健康に関する情報が氾濫(はんらん)している。
先日も電車で横に座った60歳代の女性ふたりが健康食品や健康器具について話しているのが耳に入った。
ただ、「これが良いのよね」という健康食品、器具の話は最初のほんのさわりだけで、あとは「どこが悪い」「あそこが悪い」という病気自慢のような話を延々としゃべり続けている。
それを聞きながら、現代は、「健康ブーム」と言われているが実は
「病気ブーム」
なのかもしれないと思った。
そうしたことに気づくと身近にある健康に関するチラシやパンフレットを読んでみると、「健康」に関する情報はほんの少しで大半は「病気」に関する記述ばかりである。
これでは誰でも知らず知らずのうちに病気に詳しくなるだろう。
知識が増えると自分が病気になるような気がしてきて、「病気にならないため」に保険として健康食品や器具にお金を使うようになる。
本来は「健康」であるために思考し、行動すべきのところを、「病気」のために思考し、行動するようになると「病気」を引き寄せ始める。思考のエネルギーが現実化するようになるのだ。
わかりやすく言えば、「病気」が「あの人のところに行けばいいんだ」と気づき、その人に向かって歩き始めるのである。
だから、「老後の病気に備えてお金を貯めている」と言っている人は、ちゃんと老後にお金を使えるように病気になるし、
「子供なんかの世話にはならない」と普段から言葉にしている人は、ちゃんと「子供なんか」の世話にはならずに、施設に入って人の世話になることが叶うのである。
ガンになった人が医者に言うトップ5に入る言葉が、
「自分は誰にも迷惑かけずに生きてきたのに」
という言葉なのだそうだ。
きっとこれまできちんと生きてこられた人なのだと思うが、何も迷惑をかけずに生きている人はやはりいないのである。
「傲慢(ごうまん)」とまでは言わないがどこかにそんな思いはなかっただろうか。
たとえ今まではそうだったとしても、これからもどういう形で迷惑をかけるようになるかわからないともいえる。誰もがそうである。
今を「謙虚」に生きていく。それにつきるような気がする。
それと、「病気」に気をつけるのではなく「健康」に気をつけるようにすること。
同じように感じられるが、実はまったく異なることだし、自分の未来がまったく違う。
「健康のこと」と「病気のこと」をきちんと使い分けることが大切になるわけだが、
楽しいこと、うれしいこと、明るいことを考え、感謝の言葉を口にしていくことが健康への一番の近道だと思う。
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