国の住宅政策の目玉で、福田首相の肝いりで始まった「200年住宅」がようやく動き出す。
「100年住宅」がすでに登録商標として押さえられていたためにつけられた滑稽なネーミングも今でも「長期優良住宅」と呼ばれるようになった。
今月の半ばからこの「長期優良住宅」のモデル事業としては1回目となるノミネート募集が始まる。
これに応募するつもりの建築業者の知人から協力を求められ、僕もこの一週間ほど、国土交通省、正確には審査委員に提出するための資料づくりに明け暮れていた。
ようやく今日の夕方に知人に送ることができたので、ひとまずホッとした。
手直しは一部あるだろうが、あとは、審査の正否に臨むだけだ。
ビジネスの世界では、1回目での認定取得には大いなる価値がある。
資本力に富んだ大手ハウスメーカーはこぞって応募し認定を取得していくだろうが、中小のビルダーは戦う前から情報戦で敗れ、数えるほどであろう。
そのなかで、中小として気を吐こうというのだから俄然、燃える。
中小の業者からは「まだよく分かんないし、面倒そうだ」と不評の「長期優良住宅」だが、消費者の反応はそれとはまったくの逆をいく。
それはそうだろう。国が住宅にお墨付きを与え、現時点ではまだそこまで確約していないものの、近い将来には、中古住宅市場まで充実させて、従来10年ほどで資産価値ゼロの住宅が、「長期優良住宅」を建てておけば、100年経っても資産価値は変わらないか、もしかしたら上がっているなんてことまで国主導で目指しているのである。
しかも、これから数年間は「長期優良住宅」を建てる消費者にはたっぷりと助成金までつく。
知人の建築業者がここ数ヶ月にコツコツと約60人にアンケートした結果、9割の人が「建てられるんなら200年住宅を建てたい」と答えたという。
「まだよくわかんないし、面倒そうだ」と参加者のうち9割が言っているという業界グループの講演会で講師を頼まれている。その日も近づき、そろそろ話す内容をまとめなくてはならない。
一度は断ったが、こうなったのも何かの縁なのだろう。目を覚まさせた方がいいのか、眠ったままの方が幸せなのか、まずはそこから決めなくてはなるまい。
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