2008年4月19日土曜日

「雨の日はのんびり」が叶った一日

 今朝は朝から雨で空を眺めながら「のんびり、じっくりいきなさいということなのだろう」と思い、そう口にしていたら、速やかに叶った。

 乗っていた電車が舞浜を過ぎて、葛西臨海公園のホームに入ろうとしたところ、社内に車掌の声で「風速25キロを超える強風となっているため葛西臨海公園駅で緊急停車いたします。お急ぎのところ誠に申し訳ありません」というアナウンスが流れた。

 それを聞いた瞬間、右側のスーツを着た60歳ぐらいのおじさんが「なんだよ、まいったな~」と言い、その後も「アッタマくるよな」「せめて(隣駅の)新木場まで行ってくれよ」とブツブツ言っていたが、僕はまさか乗っている電車で止まり「ゆっくりする」ことになるなんて滅多にないことだと思ったので、「ほんとに叶ってしまったよ」とちょっと感動しながら、「これはツイてる」と実感した。

 あとはどんなに心配したり、愚痴を言ったって電車が動き出すことはないのだから、本を読むことにした。
 普段は停車をしている時には開いている扉がアナウンスでの断りがあった後、閉められた社内には激しい雨がパタパタと窓を打つ音以外はとっても静かだった。本から顔を上げると立っている人を含めてほとんどの人が無言のままで携帯電話をいじったり、窓の外を見ていた。その頃は右横のおじさんも観念したのか静かにしていた。

 ”お陰様”で停車してた30分ほどで昨日から読み始めた本を読み終わると、まるでそれを待ってくれたかのように電車は隣の新木場駅まで走ることになったとアナウンスが流れた。電車はこわごわとジョギングをするぐらいのゆっくりとしたスピードで再び走り出した。
 新木場から先はしばらく走るメドが立っていないということなので、振り替え輸送の有楽町線に乗りかえ、職場に向かった。

 最寄りの駅に着くとあんなに激しかった風雨がピタリとおさまり、雨が上がっていた。

 職場に入っていくと、「電車でゆっくりできて良かったですね」と“お陰様”の後輩が言った。
 
 「お陰様~、朝から叶ったんだよ」と言うと、不思議そうな表情で「えっ」と言った。

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