昨日の夕方、銀座線に乗っているとメールがきた。
一週間前に一緒に飲んだ友人からで、内容は
「向田邦子さんのタイトルは何だったかな?」というものだった。
僕は、「眠る盃、字のない葉書」と打って、虎ノ門駅に電車が入り電波が立つタイミングで返事した。
彼は書店から連絡していたらしく、5分もしないうちに
「見つかった。読んでみる」と再びメールがきた。
「良かった。感想を待つ」と僕も送った。
それから3時間ほど経った。
京葉線の葛西臨海公園駅は、夜早い時間だと右手に見える日本でもっとも大きな観覧車が色とりどりにライトアップされた美しい姿を見ることができる。その観覧車を眺めている時に届いた先ほどの友人からのメールにはこう書かれていた。
「わずか4頁に泣かされた。でも、とても気分が良い」
夜の観覧車を見ながら、「字のない葉書」に魅入られた読者が今夜またひとり増えたなと思うとうれしくなった。
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