2008年6月24日火曜日
花咲じいさんとポチ
小林正観さんの本を読んでいたら柳家小さんの孫の柳家花録(かろく)さんの落語が紹介されていて、これがとてもおかしかったので、梅雨の長雨の合間の小咄としておひとつどうぞ。
「花咲じいさんとポチ」
昔々あるところにおじいさんがいました。おじいさんの家にはポチというイヌがいました。
おじいさんが木に登って灰を撒いたところ、枯れ木に花が咲きました。
そうしたらポチが木の下で「ここ掘れワンワン」と鳴くので掘ってみると大判小判がザックザクと出てきました。
別の木におじいさんが灰を撒いたらまた花が咲いて、
ポチがまた「ここ掘れワンワン」と鳴くので、
おじいさんは「じゃあポチポチ掘ろうか」などと言いながら掘ると、また大判小判が出てきました。
そのように三本目、四本目と同じことをやっていると、夕暮れ時になりました。
そろそろ家に帰る時間だけれど、おじいさんは掘るたびに金銀財宝、大判小判がザクザク出るので欲が出て、「ポチ、もう一本探せ」と命じました。
しょうがないな。やる気のないポチでしたが、一本の木を探して「ここ掘れ」とおじいさんに教えました。
おじいさんがそこを掘ると、また大判小判がザックザク。おじいさんは大喜びです。
ポチはもう疲れてしまいました。
もう十分に金銀財宝は手に入れたし、もういいじゃない。おじいさん、もう帰ろうよ。
そう言って、首輪を引っ張っておじいさんをせかしましたが、
おじいさんは「もう一本やろう、もう一本だけ」と言って聞きません。
「もう帰りましょうよ、おじいさん」
「もう一本探せ、もう一本。ポチポチ探すんだ」
「おじいさん、帰りましょうよ」
「いいや、帰さん。もう一本探せ!」
押し問答になった末に、ついにポチは切れてしまい、振り向きざまに言いました。
「離さんか! じいさん」
http://kutsulog.net/cat0614-1.php
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿